有機化合物の分離
有機化合物は酸性物質・塩基性物質・中性物質に分けられる。このうち,中性物質以外は酸・塩基と中和反応を起こす。すなわち,有機化合物の混合物中に塩基性水溶液を加えると,混合物中の酸性化合物だけが塩基と中和反応をし,塩となって水層に移る。水層を取り除き,残った有機溶媒層(このとき,中性物質と塩基性物質のみが残っている)に酸性溶液を加えると,混合物中の塩基性化合物だけが中和されて,水層に移る。さらに,水層と有機溶媒層を分ければ,酸性物質・塩基性物質・中性物質を分けたことになる。
酸性物質 ・・・ スルホン酸(ベンゼンスルホン酸など),カルボン酸(安息香酸など),フェノール類(フェノール,クレゾールなど)
フェノール類は炭酸よりも酸性が弱いので炭酸水素ナトリウム水溶液を加えても塩にはならない。
塩基性物質 ・・・ アミン(アニリンなど)
中性物質 ・・・ トルエン,ニトロベンゼンなど
下の図はフェノール,安息香酸,アニリン,ニトロベンゼンの混合物から,各化合物を分離する手順を示した物である。(1)〜(4)の物質を考える。
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